IT・システム全般

中小企業のIT担当者になったら最初にやりたい3つのこと

リソースの限られた中小企業には、IT担当者がいないことが多いです。
しかし、経営とITが密接に関わってくるほど、「うちはパソコンとか苦手なんで」とは言えない状況になってきています。

そんな中小企業でIT担当者を決めた・IT担当者に任命されたなら、最初にやっておきたい3つのことがあります。

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基本知識を整理する

ITは専門分野です。
中小企業とは言っても、様々なシステムやツールが組み合わさって運営されています。

パソコンがネットワークにつながり、その先にインターネットがあります。
社内のネットワークにプリンタがつながっていることも。

「上手く印刷できないんだけど」と言われたときに、悪さをしているのがパソコンなのか、ネットワークなのか、プリンタなのか、切り分けるにも基本的な知識が必要です。

今後、新たなシステム・ツールを企画したり、トラブルが起きたときに対応したり、周りからの質問に答えたりするには、基本的な知識が何よりの武器になります

逆に言うと、付け焼き刃の表面的な知識で対応できるほど、簡単な仕事ではありません。ネットで検索すればいくらでも情報が出てくる世の中ですが、それが自社に合ったことなのかどうか?を判断するには、基礎知識が必要です。

特定の環境に偏らず、体系的に基礎知識を習得するなら、ITパスポートや基本情報技術者が適しています。

IT担当者がまず身につけておきたい基本的なスキル企業で使われるITの基本を身につけるには、ITパスポートや基本情報処理技術者が良いです。バランス良く学ぶことができます。リソースの限られた中小企業では、遠回りに見えても、このように基本を積み上げるような教育投資をした方が効果的です。...

全くの素人から始めても、ちゃんと勉強すればITパスポートなら1ヶ月程度で合格できると言われています。ただ、合格するよりも知識を身につけることが重要ですから、後述するように、自社のシステム環境の把握と並行して進めると良いでしょう。

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自社のシステム環境を整理しておく(構成管理)

ITパスポートや基本情報技術者の勉強は、どうしても「机上の空論」になりがちです。ですから実際の現場を通じて、理論と現場を並行して理解するようにしましょう。

IT担当者になったのであれば、自社のシステム環境・ツール類を把握できる立場のはずです。今後、これらのシステム・ツールを運用していく上でも、情報整理は欠かせません。

試験勉強を通じて学んだことが、自社の場合にはどうなっているのか?

例えば、インターネットに接続するにはルーターと呼ばれるものがあり、社内LANは有線LANと無線LAN(Wi-Fi)があると分かったとします。では、自社のルーターやWi-Fiアクセスポイントについて、

  • 物理的にどこにあるのか?
  • 物理的にどこにケーブルが通って接続されているのか?
  • ケーブルの種別は?
  • インターネット回線はどこと契約しているのか?
  • 契約やサポートに必要な情報(IDや契約番号など)

などを把握しておかなければ、トラブルがあったときに対応できません。

同じように以下の情報を整理しておきましょう。

  • 使っているパソコンの型番とそのサポート状況
  • パソコンやその他(プリンタなど)の購入形態(リース等)と次期更新の時期
  • パソコンで動いているOSの情報と、そのライセンス
  • パソコンにインストールされているソフトウェアと、そのライセンス
  • 利用しているクラウドサービスと契約状況
  • ソフトウェアやクラウドで利用できるサポート

全ては挙げきれませんが、このような資産・備品の情報整理を徹底します。
これを企業のITを管理する上での基本となる「構成管理」と言います。

特に普段意識しないネットワークや個人ごとのID情報(アカウントやパスワードなど)は見逃しがちです。

しかし、ネットワークやIDは使えなくなったときの影響範囲が大きくなります。
止まってしまうと、今や停電と同じくらい、インパクトがあると言っても過言ではありません。見落とさないように構成管理を徹底しましょう。

試験勉強と並行して進めることで、単なる試験勉強で終わらず、実践で役に立つ知識を得ることができます。

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周りに貢献しておく

IT担当者が困るのは、周りに新しく何かを協力してもらうときです。

例えば新しいツールを導入したにも関わらず、全く使ってくれない・意見も言わない人が出てきたりします。人間、変化を嫌う生き物ですから、仕方ない部分もあるのですが。

ただ、IT担当者としてはそうも言っていられません。
このようなとき、ゴリ押ししてもお互いの印象が悪くなってしまいます。
現場の人から見ると「IT担当者が面倒くさいことを押し付けてきた」と感じていることが多いからです。

ですから、何もないときから周りに貢献しておくこと。
ちょっとしたトラブルをフォローしたり、ツールの便利な使い方を教えたり。
あるいはIT担当者としてではなく、現場の仕事を手伝ったという話を聴いたこともあります。(現場の仕事を知っておくことで、IT担当者としての目が養われるというメリットが)

日頃から現場と良い人間関係を築いておくことで、IT面で何かをお願いすることになったときにも進めやすくなります。

最後に、自分を「ITエンジニア」と定義するよりも「ITで組織・ビジネスを支えるサービス提供者」のように位置づけた方が、キャリア的にも精神衛生上も良い状態を保てるのではと考えています。

まとめ
  • IT担当者になったら、基本的な知識を習得する
  • 知識だけでなく、自社システムの構成管理と並行することで理論と実践を両立する
  • 現場との人間関係を構築しておく

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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