IT・システム企画

ITコスト、削減どころか上がってしまう3つの理由

経営者として、できる限り無駄なコストは削減したいもの。にも関わらず、何もしていないつもりなのに、ITコストが増加していく。この記事ではITベンダーとの付き合い方を中心に、コストが上がってしまう3つの理由を解説します。

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IT・システムコストが削減できずに上がってしまう3つの理由とは?

ズバリ、3つの理由は以下の通りです。

  • 外部に丸投げしすぎ
  • コミュニケーション手法が古い
  • やりたいことが曖昧

「自分たちはITやシステムの素人だから」と開き直ることが、全ての元凶です。確かにITやシステムを本業としていないのですから、素人なのかもしれません。しかし、そこで開き直ってしまうことが、あらゆるところに悪影響を及ぼすのです。

以下、3つの理由を解説します。

外部に丸投げしすぎ

1つ目は、何でもかんでも、ITベンダーに丸投げしてしまうことです。

「現状の課題は何なのか?」
「どういうシステムを使って、現状をどのように変えたいのか?」

特に1点目、現状抱えている課題は何なのか?
これは本来、自分たちが一番、真剣に考えるべきことです。

しかし自分たちのことであるにも関わらず、
「ウチの調査を課題の洗い出しをお願いします」
と丸投げする企業が結構、多いのです。

例えば自社の業務フローを自分たちで書かず、ITベンダーに丸投げして、調査・書いてもらうようなケースです。それでは自社のことが、どんどん分からなくなってしまいます

「他社はどうやっているのか?」を専門家であるITベンダーに聴くことは、確かに有益です。しかし、事例調査とは別に、自社が感じている課題の把握すら外部に投げてしまうのは、止めておきたいもの。

専門家はあくまでも外部の人です。ですから、お客さんの会社に入り込み、調査をするには、時間も手間も掛かります。その分の費用が掛かるのは、当然のことでしょう。

コミュニケーション手法が古い

別の丸投げの例として、議事録作成も外部にお任せするケースを良く見ます。他社に仕事をお願いしているのですから、その分、費用が掛かるのは当然です。

余談ですが、未だに日本では「サービスはタダ」という感覚を持っている方がいらっしゃるように感じます。しかし、人に何かをお願いする以上、費用が掛かるのは当然と考えるべきでしょう。でなければ、良いパートナー(ITベンダー)との関係構築ができません。

また、電話や対面を主体にコミュニケーションしたがるのも多いです。しかし、電話でやりとりするには、その分の時間を確保しなければなりません。「言った・言わない」問題を避けるために、電話で話したことを、文書化する手間も発生します。

電話せずに、最初からメールやチャットでやりとりしていれば、そんな手間はありません。外部の専門家がやりやすいコミュニケーション手法を取れるようにすれば、それだけコストが削減できるのです。

最近では、ITベンダーの多くがSlackなどのチャットツールを使っています。「使い方が分からない」という人も多いのですが、慣れの問題です。毎日使っていれば、自然と慣れます。スマホを使える人なら、誰でも使えるようになります。

一度、使い始めてしまうと、今までのコミュニケーションが何だったのか?と思うほど、効率が上がるのを体験します。そして、組織文化も変わっていくのです。

システム企画時には、期待効果が算出しにくいツール・システムもある新たなツール・システムを導入しようとすると「期待効果を数字で出せ」と言われて困ることがありませんか?必ずしも、全てのツールが数字で期待効果を現せるわけではありません。その代表例がSlackのようなコミュニケーションツールです。数値化が難しい理由と、取り組み方をご紹介します。...

またミーティングも対面にすると、移動時間がかかってしまいます。その分、費用が高くなってしまいます。移動をなくして生産性を上げるには、ZoomなどのWebミーティングを活用しましょう。

電話や対面は、本当に必要なときだけにとっておきましょう。

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やりたいことが曖昧

1点目の「自社の課題すら丸投げ」に近いのですが、とにかくやりたいことが曖昧すぎるのです。

今の課題を図式化したり、箇条書きにするのを、自分たちでやりましょう。そして、その課題をどう変えていきたいのか?を合わせて文書化します。

すると、実はやりたいことが曖昧なことに気づきます。ITの技術的なことが分からないのは当然として、それ以前に自社の業務に対する理解が曖昧だったりするのです。

「伝票は3種類あります」と言われて、現場調査をしてみたら5種類あった、なんてことは日常茶飯事です。多くの企業が、自社のことをちゃんと把握していません

ITベンダーの立場からすれば、やりたいことが曖昧すぎると、それを絞り込むための時間が必要です。だからその分、費用が上がってしまうのです。

専門分野以外も、勉強しましょう

総じて言えるのは「自社のことを変えたいのだから、真剣に取り組みましょう」。美容院で髪を切るときも、どうして欲しいのかを伝えるはずです。美容師は髪を切る専門家ですし、多くのケースを見ているので相談には乗ってくれるでしょう。

しかし、長くしたいのか・短くしたいのか、ストレートかパーマか、などのイメージは、自分で考えるべきことです。そこまで具体的でなくとも、キッチリビジネス系にしたいのか、ふわっとカジュアルにしたいのか?など、自分の「こうしたい」は主張しなければなりません。

IT・システムであっても、根本的には同じことです。

技術的なことは分からないでしょうし、必ずしも身につける必要はありません。それでも、専門家と話し続けることで、学ぶことはあるでしょう。少しずつ学んでいくことで、専門家からも、足元を見られなくなります。

そもそもITを活用するのは、ITベンダーのためではなく、自社のためです。その利用者側が「うちらは素人だから」という開き直りをしていたら、何の問題解決にもなりません。

利用者としてどうしたいのか?真摯に追求すること。
そして、コミュニケーション手法を時代の流れに合わせてアップデートすること。
それだけでコストは押さえられるようになります。

最後にIT全部がコストであるわけではありません。IT投資には「攻め」「守り」があります。守りはコストに注目しつつ、攻めは投資と認識しておきましょう。

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まとめ
  • ITコストが上がってしまう理由は、ITベンダーに丸投げし過ぎだから
  • そして、コミュニケーション手法が古いから
  • 最後に、やりたいことが曖昧過ぎるから
  • 攻めの投資と、守りのコストを区別すべき

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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