IT・システム企画

パートナーにしたいIT企業(ITベンダー)の条件とは?

「ウチももう少しITを活用しよう。」
「紙書類が多すぎるからペーパーレスもやりたいし、受発注のFAXを止めたい」
「テレワークをできるようにしないと、出産とか介護とかで、社員が辞めちゃう・・」

ITを活用したいという声は、年々、強くなってきているように思います。
と言うよりも「いい加減に取り組まないとヤバイ」という経営者が増えてきたのでしょう。

そんなとき大切なのが、パートナーとなるIT企業(ITベンダー)です。どんなIT企業を選べば良いのでしょうか。

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経営上・業務上の課題をしっかりとヒアリングしてくれる

様々なIT企業(ITベンダー)を見てきました。頻繁にウンザリするのが、いきなり商品・サービスの説明を始める企業です。課題が明確になっていないのに解決策(商品・サービス)を提示されても、意味がありません。しかし、いきなり説明する企業が後を絶たないのは、本当に問題だと感じています。

大切なのは、自社の課題をしっかりとヒアリングし、確認してくれること。現状を把握し、問題を特定する協力をしてくれる。その上で、理想の状態を確認する。現状と理想像とのギャップこそが課題です。

ここでのポイントは、IT企業側の商品やサービスは、この時点では全く関係ないことです。技術力があるとか、良い商品・サービスを提供できるとか、実績があるとか、そういう話は、ここでは(まだ)関係ありません。

お客様である自社の課題を知りたい!一緒に課題を解決したい!という顧客視点こそが大切なのです。そういう姿勢を持った企業は、その後の条件を満たしていることが多いです。

ITツールで解決すべきことと、そうでないことを区別してくれる

自社の課題が整理されたら、いよいよ解決に向けて動いていくわけですが。会社の課題には、ITツールで解決すべきことと、そうでないことがあります

例えば、営業チームの動きが、個々人のセンスに依存してしまっているという問題があったとします。この問題は、組織として営業の業務プロセスが決まっていないことが、根本的な原因です。ITツール(SFAやCRMなど)を導入すれば自動的に解決するような問題ではありません。

こんな問題を目の前にしたときに、IT企業がどのような提案をしてくれるか?

「このITツールを導入すれば、御社の問題も解決しますよ」
「このツールはキッカケに過ぎません。それよりもまずは営業プロセスをしっかり固めた上で、その教育が大事だと考えられます」

私だったら迷わず、後者のIT企業からツールを買います。このように、ITツールで解決すべきことと、そうでないことをしっかりと切り分けて提案してくる企業は信頼できます

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つくることよりも、使うことを優先

IT企業(ITベンダー)と言っても、そのビジネスの内容は多岐に渡ります。システム開発会社の場合は、何でもかんでも開発しようとする傾向が強いです。しかし、ゼロからの開発はお金も時間も掛かります。最終手段とした方が良いでしょう。

できる限り「開発しない」ITベンダーさんを選びましょうゼロからのシステム開発を勧めてくるベンダーは、あまり良い会社ではないかもしれません。今どきのシステム・ツールにおける事情と、どういう会社が良いパートナーになりえるのか?中小企業におけるシステム開発の注意点をご紹介します。...

それよりも、できる限り既存のツールを使う提案をしてくれる会社が良心的だと感じます。ですからシステム開発会社よりもツール提供会社に、最初は問い合わせをする方が良いです。

もちろん、世の中にない新規サービスをリリースするときなどは、開発が必要です。無駄を省く効率化の視点よりも、新たな価値創造のときに、システム開発を行うようにしましょう。

他社のITツールであっても、より良いものを提案してくれる

課題を整理した結果、そのIT企業の扱っているツールよりも、別の会社のツールの方がジャストフィットするということがあります。

そのときに素直に他社のツールをご紹介してくれるか?それとも無理矢理、自社のツールを押し込んでくるか。ビジネスパーソンとしての道徳観が問われるところです。

やはり、知っているのであれば他社のツールを紹介して欲しいところです。確かに目の前の仕事は失ってしまうかもしれませんが、大きな信頼を獲得することができます。実際、私の知る企業は、他社商品を推奨したところ「導入プロジェクトに入って欲しい」と顧客から依頼されていました。

ツールよりも教育を重視する

営業プロセスの例で触れましたが、ツールそのものよりも、利用者側のITリテラシーや慣れの方が、問題になることが多いです。特に最近はツールの価格も安くなってきているので、ツールにお金をかけるよりも、使う人の教育を重視する方が、効果が大きくなります

IT投資で最も注力すべきは、人材への教育中小企業におけるIT導入・利用における問題は、スキルのある人材不足によるところがほとんどです。しかし、ますますIT人材の不足が深刻化しつつあり、採用することは困難です。このような状況を受けて、最も注力すべきIT投資は「人材への教育」です。ITで経営を変革したい経営者は、この点を認識しておくべきです。...

目先の導入よりも、導入後のサポートを徹底してくれる

課題を明確にし、それを解決することを考えれば、ITツールの導入はスタート地点に過ぎません。ツールを使いこなして、初めて効果が得られるからです。しかし、導入が終わった(つまり売上が上がった)途端に手を引いていく会社が、未だに存在します。

導入までも、もちろん大切なのですが、それ以上に導入後に活用するための教育やサポートを徹底することで、効果を得ることに注力してくれるIT企業が良い会社です。

ここまでの条件を全て満たす企業は、そう多くないかもしれません。見た目の規模やネームバリューにとらわれず、会社としての姿勢をしっかりとチェックして、長くお付き合いできるパートナー企業を見つけましょう。

まとめ
  • 自社の課題を整理してくれる
  • ITツールで解決すべきことと、そうでないことを区別してくれる
  • ツールを開発するよりも、使うことを優先してくれる
中小企業のITは、何に?いくら?投資すれば良いのか?中小企業には、ITに投資をするための判断材料が、多くありません。 大企業は市場レポートを購入したり、専門の情報システム(IT)部門が活...

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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