2021年版の中小企業白書・小規模企業白書が発表されました。
今年度の白書は、デジタル化に関する話題にページが大きく割かれています。
私が興味を持ったポイントをご紹介します。
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デジタル化への優先度は高まっている
コロナによって、デジタル化の流れが10年早まったと言われています。
ようやく日本の経営者にも、その意識が浸透しつつあるようです。
(それでも無関心層?が4割近くいますが)
この節のタイトルは「事業継続力と競争力を高めるデジタル化」です。
単に効率化するとか、無駄を省くということではありません。
もちろん効率化や生産性向上のためにデジタルを活用することもあります。
ただ、その先に「事業継続力の向上」「競争力向上」という目的が掲げられていることの意味は大きいと感じています。
※スモールビジネスでは「競争」するよりも、独自のポジションを取る方が大事だと考えていますが、それは本旨からズレますので割愛します。
なお、事業継続力強化への意識については、従業員規模が小さいほど低くなっています。
規模が大きい方が人件費(固定費)が高いので意識しやすいのでしょうか。
小さな会社の経営者は、もっと事業継続性を意識した方が良いでしょう。
せっかくデジタルを活用するのであれば、同時に狙える目的になりますので。
デジタル化推進に向けた課題
次にデジタル化推進に向けた課題について、見てみましょう。
このアンケート結果を見て、私は「経営者の意識が変わってきた」と感じています。
- アナログな文化・価値観が定着している
- 明確な目的・目標が定まっていない
- 組織のITリテラシーが不足している
これらが上位3つの課題として認識されていることが、改善の兆しではないでしょうか。
今まで、同様の調査では、コストが負担できない(=資金不足)がトップに来ることが多かったのです。
このグラフはアンケート全体を表わしています。
白書(2-2-36図)では、従業員規模別のグラフも出ています。
それによると、従業員規模が小さくなるほど、「資金不足」の割合が高まっていきます。
市場には、フリーランス・ひとり社長でも使えるような安価な ITツールがあります。
それを知らない・活用できないことが多いのでは?と推測しています。
ECの利用拡大意欲が高まっている
EC(電子商取引)の利用拡大意欲が高まっています。
この点については、大企業よりも中小企業の方が進んでいるようです。
実際、私の周りでもコロナ以降、ECに着手している企業がいくつかあります。
既にECを利用している企業のなかで、海外に展開する越境ECの割合が高まっている点も注目しておきたいです。
このような流れを受けて、先日、ECサイト入門セミナーを実施しました。
- ECに適しているビジネス、逆に止めた方が良いビジネスとは?
- ECを運営する上で、どのような体制が必要なのか?
- Webマーケティングはどこから手を打つべき?
- リピートを増やすためにはどんなことをすれば良いのか?
- ECサイト制作会社の選び方
などなど。EC経験豊富な講師からリアルな声をお聞きしました。
白書にあるように、経営者の意識は間違いなく高まっています。
その意識を空振りさせないためにも、地に足のついた支援を行っていきたいです。
具体的には、社内にIT人材を育成すること。
デジタル化・IT活用は短期的な取り組みではありません。
社内で相応のスキルを持った人材を育てていくことが、着実なデジタル化への土台となるはずです。
- 経営者のなかで、デジタル化の優先度が高まっている
- デジタル化への課題認識も変わってきた(期待高)
- ECの活用・意欲が高まっている
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【編集後記】
IT人材を育成するためのカリキュラムを網羅的にリサーチ・検討しています。
たたき台をつくりつつ、中小企業経営者からのフィードバックをもらってアップデートしていく予定です。
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