経営者がITやデータを活用する上で、最初に知っておきたいことが「マスターデータ」です。何やらイカツイ名前ですが、コンピュータが利用される前から「台帳」として存在してきたものです。
この記事では、マスターデータについてご紹介します。
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マスターデータとは何か?
マスターデータとは何でしょうか?
概念をお伝えするよりも、具体例を見てしまった方が早いでしょう。
例えば、「従業員マスタ」です。
(なぜか「マスター」ではなく「マスタ」と伸ばさないのが一般的です)
- 従業員コード
- 氏名
- 生年月日、年齢
- 入社年月日
などの情報が一覧になっているものです。
従業員を雇っている以上、意識している・していないに関わらず、このようなデータが存在しています。仕事の担当や、給与支払い・社会保険などの対象として、業務に組み込まれているからです。
このような業務を行う上での基準となるデータのことをマスターデータと言います。
良く見るマスターデータには、以下のようなものがあります。
- 商品(製品)マスタ:自社の商品を管理する
- 顧客(得意先)マスタ:顧客や仕入れ先などを管理する
- 支店コード:支店を区別する(コードとマスタの違いについては省略します)
- 組織マスタ:大企業など組織が大きい場合に利用、毎年変わる
- 設備マスタ:設備や備品などを管理する
「マスタ」などと言わなくても、コンピューター登場以前の昔から「台帳」として管理されてきたものです。特に商品や顧客に関しては江戸時代の大福帳には、マスタの概念が含まれているように感じます。
経理で言えば、勘定科目も1つのマスタです。
私たちは日々、仕事をする上で何気なくマスターデータを活用しているのです。
データを分析する上での土台になる
このマスターデータは、データを分析する上での土台になります。
- 顧客別売上・利益
- 従業員別売上・利益
- 支店別売上・利益
- 従業員別の給与
- 勘定科目別の費用
どれもマスターデータがないと、計算することができません。
顧客マスターが存在しなければ、顧客別売上は計算しようがありません。
言い換えると、マスターデータが存在しないということは、「基準がない」ということです。
つまりデータを経営に活かして、意思決定していくためには、マスターデータが整備されていることが前提となるのです。経営者は細かなITシステム・ツール以前に、必要なマスターデータ(=判断基準)は何か?を明確にする必要があります。
マスターデータの品質を保つ
このマスターデータですが、準備する(作成する)よりも、データの品質を保つことの方が大変です。
良くあるのが、データの重複です。
従業員マスタで同じ人が2回登録されていることは、あまりないでしょうが・・
顧客マスタは重複や表記揺れなどが非常に多く発生しがちです。
詳細はこれらの記事をご参照下さい。
判断基準になるデータである以上、重複などがあると、正確な判断ができなくなってしまいます。売上が少ないと思っていた顧客が、実は5件登録されていて、売上が分散してしまっていた・・なんてことは実に良くある話です。
経営者の方は、判断基準となるマスターデータが必要であること。
作成するだけではなく、品質を維持するためのメンテナンス業務があることを意識いただきたいです。
- データを活用する上での基準になるのがマスターデータ
- マスターデータがなければ、業務がまわらない
- マスターデータの品質を保つのは大変
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【編集後記】
昨日は、セミナー動画の書き出しをしている間に、バイク練習80km。
今月はバイクを積み上げようと思っています。
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