使い勝手・使いやすいデザインは、ITツールの最重要ポイントだと考えています。
ITベンダーは、そのことをもっと強く認識して頂きたいです。
<スポンサードリンク>
使いにくいツールは人を混乱させる
私はITツールは細かな機能の違いよりも、使いやすさを重視しています。
どんなに素晴らしい機能があったとしても、パッと見て分からなければ、使いこなせないからです。
特にスモールビジネスの現場で働く人は、ITの専門家ではありません。
人が足りない環境で働いていますから、教育できる時間も限られています。
ですから、「パッと見て使いやすい」ことは、かなり優先度が高いのです。
しかし、一般的なITベンダーはシステム・ツールを開発するとき、
- どんな機能が必要か?
- データをどのように持たせるか?(データベース設計)
から中心に進めがち。
使う人からの目線ではなく、ITツール側からの目線で見てしまうのです。
結果的に、画面のデザインなど、使い勝手に直結するところは、後回しにされやすいです。しかも、使いやすさを追求するデザイナーがいない企業も多いので、「なんじゃこりゃ?」というツールも、まだまだ残されています。
具体例を挙げましょう。
今日の午前中、混乱しまくったのが e-taxソフト。
インストール時点から、この見た目。90年代を彷彿とさせます。
どの手順で何をやれば良いのかが、画面を見ても良く分からない。
今どきの使いやすいクラウド型のアプリケーション(SaaS)に慣れていると、このインターフェースは悶絶ものです。
どこから触れば良いのか、画面からは案内がありません。
仕方がないので480ページを超えるマニュアルを読みつつ、何とか確定申告を終わらせました。(Web版を使わなかったのは理由があるのですが、今回の本題ではないので割愛します)
もう文句を書かずにいられませんでした。
相変わらずe-taxが使い悪すぎて苦戦。。マニュアルだけで480ページ、確定申告するだけで、誰がそんなもん読むか。
マニュアルがなくても使い方が分かるUIを、なぜ用意しようとしないのか。。もっと昨今のSaaSなどから学んで欲しい。国税庁も、そこからシステム開発を依頼されている会社も。
— 渋屋 隆一💡中小企業のIT・データ活用 (@giraffe_duck) February 21, 2020
ここにも書いたように、マニュアルを読まずとも、ある程度使えるのが良いツールの条件です。
確定申告を終えた後のアンケートにも、ビッチリと指摘をしておきました。私は過去に何度も確定申告をしていますので、確定申告そのものの考え方や流れは多少理解しているつもりです。そんな私が苦戦しまくるのですから、確定申告が初めての方などは、使いこなせないのではないでしょうか。。
来年から少しは改善されると良いのですが。ただ、国税庁には競合がいませんから、実際にはあまり期待できないと感じています。ほんと一度、市場の荒波に揉まれて欲しいです。
ツールを探すときには、機能だけではなく、実際に使い勝手を確認することを強くお勧めします。
使いにくいツールは余計な仕事を生む
ここまではやや感情論ですが、実際に使いにくいツールは余計な仕事を生みます。
利用者だけでなく、ITベンダーにも。
ITベンダー側
利用者が使えるように、マニュアルを詳細に作成する必要があります。
セミナーや社内教育を開催して、操作方法を覚えてもらう必要がでるかもしれません。
さらには、使い方が分からない人のための電話サポートなどが必要になるケースも。
ちなみに、マニュアルを詳細化すればするほど、ツールに変更を加えにくくなります。
変更箇所が多くなりすぎて大変だからです。
結果的に、使いにくいツールほど、そのまま放置されてしまいます。
悪循環に入るのがお分かりいただけるでしょうか。
マニュアルや電話で事後フォローするよりも、ツール自体の使いやすさを優先する方が、ITベンダーにとっても良いのです。
利用者側
利用者側は使いにくいツールを使うためには、どうしてもマニュアルを読まなければなりません。それだけで「こんなツール使っていられない」となってしまいます。
しかも画面が小さいパソコンだと、マニュアルとツールを2つ立ち上げると、画面を行き来するだけでも時間の無駄が発生します。(今日の私は、画面を2つ使って、1つをマニュアル、もう1つをe-taxにしました)
頻繁に利用するツールであれば、多少学ぶのは仕方ありません。しかし月に1回、年に1回しか使わないようなもののために、マニュアルを熟読するのは、かなり疲弊します。
社内教育などを行うにしても、最初から利用しやすいツールであれば、飲み込みも速いです。世の中に広く使われているLINEなどのツールを見れば、使いやすさを追求した画面設計になっていることが分かります。
業務の流れと利用者目線を徹底する
ITベンダーさんには、機能やデータベース設計と同様に、いやそれ以上に、UI(ユーザーインターフェース)を大事にして頂きたいです。
その際、利用者目線を持つこと。
利用者がどんなシーンで、そのツールを使うのか。
業務の流れと、そのツールの使われ方を整理することで、画面やボタンの配置などが決まってくるでしょう。
私は、なかなかITがスモールビジネスの現場にまで浸透しない理由の1つが、「ITツールの使いにくさ」にあると感じています。もっと誰もが使いやすいツールが生まれることで、今までITに慣れ親しんでこなかった人達に対しても、アプローチできるようになるのではないでしょうか。
- スモールビジネスにITが浸透しない理由は、ITツールが使いにくいから
- 使いにくいツールは、ITベンダーも利用者も苦しめる
- ITベンダーは、機能だけでなく、もっとツールの使いやすさを追求すべき
[the_ad id=”2141″]
【編集後記】
そんなわけで、やっと確定申告を終えました。
医療費明細がもっと早く届いてくれると、着手を早められるんですけどね。。
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。