生涯学び続ける「リカレント教育」への注目が集まっています。
この記事では、私が考える学びの種類と使い分けについてご紹介します。
社員教育をする経営者や、個人として学びたい人の参考になればと思います。
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学びの種類
学生と異なり、既に働いている人にとって、学びとは大きく2種類に分けられると考えています。実践的な学びと、長期的な学びです。
実践的な学び
1つ目は、仕事ですぐに使う実践的な学びです。
知識社会である現代は、スキルの専門化・細分化が進んでいます。
それに変化が激しくなってきていますので、自分の専門分野であっても常に学び直す必要があります。
私の場合、ITやマーケティングが専門分野です。
10年前と今では、全く異なる世界と言っても良いくらいです。
10年どころか、3年でも相当変わってしまいます。
(もちろん、基礎的な知識は大きく変わっていませんが)
この領域の学びが足りないと、端的に言えば稼げなくなります。
- 個人としては、職に就けない・解雇される
- 会社組織としては、売上が上がらなくなる・競合に駆逐される
と言うような問題が起きてしまいます。
実践的な学びが足りない場合には、早急に対応する必要があります。
社会人としては、まずこの領域に対する学習を習慣化する必要があります。
会社組織としては、従業員が学び続ける機会を提供しないといけません。
(私がITエンジニアチームの管理職だったときは、現場から得られた学びをチーム会で発表してもらっていました)
ちなみに私は今、サイボウズさんの kintone を学んでいます。
お客様の業務改善に活用しているので、つまみ食いではなく、E-Learningを活用して体系的に学んでいます。
長期的な学び
2つ目は、今すぐ役立つわけではないけれども、本質的な学びです。
一例をご紹介します。
私がITエンジニア時代に勤めていた会社は、個人商店の集まりでした。
個々のエンジニアは非常にスキルが高いのですが、それを組織として活かせていない。
強烈な属人化によって成り立っている事業でした。
当時、IT活用する企業は増え続けていましたし、事業のITへの期待度は高まるばかり。
「このまま個人に依存する働き方をしていたら問題が起こる」と考えて、プロジェクトマネジメントを学び始めました。
これは私が勝手に問題視したことで、会社から言われて学んだことではありません。
現場感覚として必要性を感じていましたし、社会の風潮的にも、必要なスキルだと感じたのです。
個人で何万円か払って、学びに行ったことを覚えています。
(プロジェクトマネジメントの資格、PMPを取得したのは、2007年11月でした)
資格を取った頃、会社が急に属人化を問題視し始めて、プロジェクトマネジメントを推進し始めました。
私がその変化に対応できたのは言うまでもありません。
当時身につけた知識や、その後に得た経験は、今でも役立っています。
なお、「プロジェクトマネジメント」が本質的だ、と言いたいのではありません。
自分の意思で学びたいと思いつつ、何らかの「体系」を学ぶのが本質だと考えています。
今ですと、これに近い位置づけは「ドラッカー」です。
長期的に学び続ける予定ですが、仕事で役立つことも実感しています。
実践的な学びと、長期的な学びの中間点にあるような感覚です。
このように「今すぐ」は役立たなくとも、自分にとって中長期では役立つ”かもしれない”学びが2つ目です。
もっと言えば、役立たなくても良いのです。
自分が「学びたい」と感じているかどうか?が重要かと。
「役立たなくても良い」のに、なぜ学ぶのか?
2つ目の長期的な学びは「役立たなくても良い」と書きました。
では、なぜそんな学びをするのでしょうか?
この理由も大きく3つあります。
無駄になる学びなどない
1つ目、無駄になる学びなど、絶対にないからです。
学んだことは、実際にはどこかで活きるもの。
活かされていないのだとすると、その学び自体が中途半端であり、理解が浅いだけでしょう。
少し前に「社会に出てから使わない古文・漢文など国語から無くしてしまえ」という話題がTwitterで炎上していました。
確かに日々の仕事で古文・漢文を使う人は、極めて少ないでしょう。
恥ずかしながら、私も大学受験の頃は「古文・漢文など消えてしまえ!」と思っていました。。(国語は苦手科目でした)
しかし今になって、これらの不勉強を後悔しています。
日本の歴史・文化、あるいは中国古典(四書など)への造形を深めるのに、これほど良い学びはないでしょう。
何を学んだとしても、深く学べば、絶対にどこかで活きるものです。
人生を豊かにする
2つ目の理由は、人生を豊かにするからです。
「仕事で使うか?稼げるか?」だけが、幸せにつながるわけではありません。
むしろ、お金という尺度しか持っていなければ、人生は実に寂しいものになるのではないでしょうか。
私は今、数学を復習しています。
また人間学(東洋思想を中心に)を学んでいます。
仕事で役立つかもしれないし、役立たないかもしれません。
しかし、これらを学んでいることで、心が豊かになっていくのを感じています。
そして、対象に関わらず、深い知識をお持ちの方を見ると、美しさすら感じます。
知識・知恵に対する尊敬の念が生まれてくるのです。
「日本は物理的なモノにばかり投資して、ソフトに投資しない」と言われています。
知識社会である現代において、知識に敬意を感じられなければ、衰退していくのではないでしょうか。
知識に価値を感じられるようにするためには、自分自身で、それを得るのがどんなに大変かを知る他ありません。
競合から見えない強みをつくり出す
3つ目は事業でのメリットです。
役立たないかもしれない学びに投資をするのは、経営者としては勇気がいることです。
しかし、パッと見で分かりにくいからこそ、独自の強みをつくり出す源泉となり得ます。
長期的に学ばねばならない分野になるほど、競合から気づかれたときには、もう数年分のアドバンテージを得ていることになります。
時間管理のマトリクス
なお、この2つの学び方については、「時間管理のマトリクス」が出発点になっています。
『7つの習慣』という本に書かれている内容です。
学びである以上、重要であることは変わりません。
しかし緊急度が全く異なります。
実践的な学びは第1領域(緊急で重要なこと)。
長期的な学びは第2領域(重要だけど緊急ではないこと)。
第1領域が不足していたら問題が起きてしまいます。
したがってまずは実践的な学びを優先。
そして、少しでもゆとりができたら、第2領域への投資を行っていきます。
ゆとりができたときに、第3領域に落ちてしまわないことが重要ですね。
(無意味な付き合いとか、一見大事そうにみえる会議や報告書とか・・)
2つの学びを使い分けながら、事業も人生も楽しくしていきましょう~
- 実践的な学びは、すぐに仕事で役立つもの
- 長期的な学びは、人生を豊かにしてくれるもの
- さらに事業を営む上で、競合からは分かりにくい独自の強さの源泉にもなる
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【編集後記】
今日は午前中に合気道の稽古。
午後はとある勉強をしていました。
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