仕事術

仕事をシンプルにしよう、複雑な仕事は疲弊する

世の中、無駄に複雑な仕事が多すぎると感じています。無意味・無駄な仕事に振り回されて疲弊している人が多いのです。仕事の本質は「顧客に価値を提供すること」。その本質に向けて、もっともっと仕事をシンプルにしましょう。

この記事では、主にホワイトカラーの方に向けて、役職などの立場関係なく、仕事をシンプルにするための考え方をお伝えします。

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制度面からのアプローチは限界

日本は労働時間が長いとか、ホワイトカラーの労働生産性が低いとか言われて、ずいぶんと時間が経ちました。つまり、この間、問題は解決されずに放置されてきたということです。

私が長年見てきた大企業に関して言えば、実質的残業は減っておらず、土日や深夜、あるいはリモートワークという形で、(会社は知らないことになっている)サービス残業が増えているのではないか、と思います。

各社とも、残業時間の上限を定めたり、フレックスタイム制を導入したり、特に制度面からのアプローチをしていますが、劇的な改善にはつながっていない、と私は感じています。

制度面からのアプローチというのは、人事部主導の改善ということです。それには限界があり、大企業になれば、各組織の枝葉末節まで改善意識が浸透しなければ、改善できないのでしょう。

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誰もが知っておきたい「ECRSの原則」

各組織の枝葉末節まで浸透させるためには、各組織のマネージャーが自分事の問題として、取り組む(考えるだけでなく行動する)ことが必要です。そのとき役立つのが、生産管理に携わる人であれば知っていることですが、ECRSの原則です。

生産現場で効率を最大化するために、業務(生産)プロセスを改善するための考え方です。
生産管理に限らず、ホワイトカラーの仕事であっても、この順序で取り組むことによって、生産性を最大化することが出来るようになります。

  • Eliminate:その業務を無くせないか?
  • Combine:業務をまとめて一緒にして、時間を短縮できないか?
  • Rearrange:業務の順序を入れ替えることで、効率的にならないか?
  • Simplify:もっと省略したやり方で、同じ結果を生み出せないか?

業務を細分化した上で、それぞれの業務が本当に必要なのか?考えてみましょう。まずは業務を大きく捉えすぎず、30分~1時間程度の単位に分解します。その上で、ECRSの原則を適用することで、なくせる業務や、まとめられる業務が出てきます

残業が減らない最大の原因

私は、日本で残業が減らない最大の原因は、仕事が複雑すぎることだと思っています。
より具体的に言えば、ゴールが不明確であるということ。

本当のゴールを明確にしつつ、そのゴールにたどり着くまでのプロセスに、上記のECRSの原則を適用する。これでほとんどの業務は無駄だらけであることが分かるでしょう。

例えば、上司に説明するための資料作成。
私が会社員時代に最も嫌いだった仕事です。

口頭で説明して、録音しておけば?
ホワイトボードに書いたものを写真に取れば十分じゃないですか?
PowerPointやWordを立ち上げるだけ時間の無駄になっていませんか?

ミーティングを行う前に、上司への事前ネゴが必要だという話もワークショップでは出ました。さらには、上司の上司へのネゴ、関連部署へのネゴなどなど。。こういうのも、会社員時代には嫌いな業務でした。

この例に限らず、そもそも何のためにやっている仕事なのか?聞いてみると不明確なことが多いです。「前任者がやっていたから」「社長に言われたから」などと思考停止するのを見つけたら、すぐに原点に戻りましょう

もっと顧客の方を向いて仕事をしませんか?

社内政治がどうのこうの、人事(異動)がどうのこうの、儀式みたいな仕事、もう止めませんか?

顧客と真摯に向き合い、結果(顧客満足)にフォーカスした仕事をすれば、今いう「仕事」の半分は「なくて良かった」という結論になるかもしれません

かつては私も週(月じゃなく・・)に90時間とか残業したことがあります。良い経験をしたと思っていますが、もうやりたくないですし、やっても成果はでません。もっと健全に仕事をして、日本企業の生産性が圧倒的に改善することを願っています。

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まとめ
  • 残業抑制など、制度面からの働き方改革は限界
  • 仕事の目的を明確にする。それは顧客にどう関係する仕事なのか?
  • 仕事を細かく分解し、ECRSの原則を活用して仕事をシンプルにする

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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