週に1度の「ふりかえり」やっていますか?
「KPT」は、チームワークを劇的に良くして、生産性を高める「ふりかえり」・「カイゼン」のフレームワークです。非常にシンプルで覚えやすいので、この記事でマスターしてしまいましょう。
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Contents
生産性を高める基本は「ふりかえり」から
生産性を高めるには、仕事のやり方そのものを変えていかなければなりません。しかし、人間とは変化を嫌う生き物です。きっかけがなければ、ずっと今の仕事のやり方のまま、変えようとはしません。
そこで週に1度の「ふりかえり」をします。初回は少し時間が掛かるかもしれませんが、数回やれば1時間で終わるようになるでしょう。
このとき、仕事そのものを話すのではなく、仕事のやり方を話すのが重要なポイントです。
「あのプロジェクトの進捗が遅れている」
「あのお客様からクレームが来ている」
というのは、仕事そのものです。そうではなく、
「なぜその問題が発生してしまったのか?」
「その問題を放置しておくと、再び問題が発生するのか?」
など、普段の仕事よりも視点を1段、上にあげて行うのが、良いふりかえりです。ただ、いきなり視点を上げろと言われても難しいでしょう。そこで活躍するのが「KPT」というやり方です。
KPT(Keep、Problem、Try)カイゼンのフレームワーク
KTPはKeep(良かったこと)、Problem(悪かったこと)、Try(次に試すこと)の略です。「けぷと」と読みます。書籍『これだけKPT』に基本フォーマットとして、この図のように示されています。
このフォーマットにしたがって、この1週間で発生したことを、全員で出し切るようにします。全員で出し切ることによって、お互いの仕事内容や苦労していることが共有できて、チームワークが良くなります。チームは最大でも7人くらいまでで行うのが良いでしょう。
書籍『管理ゼロで成果は上がる』のKPTを使ったふりかえりの例では、次のようなものが挙げられていました。(システム開発会社なので、そのような内容になっています)
Keep(良かったこと、今後も続けること)
- コード、思いついた時に書く
- 午後6時間も一気に集中できないので、間あけて調整した
Problem(困ったこと、問題点)
- 自社サービス 問い合わせ多い
- 開発 ファイル探すのに時間かかる
- 前コードレビューしてもらったところ修正漏れてた
Try(今後の活動で試したいこと)
- 自社サービス 10-12月の問い合わせの予想を立てて、リソースの使い方を決める
- 開発 コマンドでファイル開く
- リーダブルコードっぽい本調べて買ってダイキと読書会する
- レビュー時に自分でコメント書く
先にお伝えした通り、仕事そのものというよりも、仕事のやり方の視点で挙げていくことが、今後の改善につながります。また、Tryについては、精神論ではなく、具体的なアクションを書くようにします。
「間違ったコードを書かないように気をつける」だけでは、次回、それができたのかどうか判定できません。そうではなく、上に書かれているように本を買ったり読書会したり、具体的な行動を示しましょう。
KPTを行う上での注意点
KeepとProblemは前もって考えてくる
後述しますが、ふりかえりの時間は1時間程度を目安にしたいので、参加者は自分に関するKeepとProblemを前もって考えてきます。参加者全員でTryを検討することが、カイゼンにつながるからです。
Problemは攻撃するためではなく、改善するため
KPTをやっていて、Problemのところで個人攻撃っぽくなり、続かなかったという記事を読んだことがあります。背景は分かりませんが、仕事そのものを挙げてしまったからではないかと推測します。お伝えした通り、挙げるべきは仕事のやり方です。つまり組織に根付いた問題ということになります。
それでも「Problem」に抵抗感を感じる場合には、「分かったこと・気づいたこと」と表現を変えても良いと思います。
時間は1時間程度、参加者は7人程度まで
仕事をカイゼンするためのミーティングが長くなり過ぎたら本末転倒です。ですので1時間前後にまとめられるようにしましょう。そのためにも、参加者は7人程度までです。それ以上に多くなりそうだったらチームを分割しましょう。
KPT自体をKPTで良くしていく
ご紹介した本を読んでKPTのやり方を学んでいただくのも良いのですが、それよりも実践しましょう。そして、自分たちでKPTを行いながら、KPTのやり方自体も改良していきましょう。
誰かに押し付けられたやり方にしたがうのではなく、自分たちにとって最適な方法が見つかると良いですね。
- 週に1度のふりかえりを行うと、チームワークが良くなる
- 仕事そのものではなく、仕事のやり方をKPTで行う
- 全員で出し切る、精神論ではなく行動を掲げるのがポイント
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