買い手としても、売り手としても「値下げ」には注意したいもの。
この記事では、良い値下げと悪い値下げについて考えてみました。
目標利益を確保できているか?
1つ目は、ちゃんと利益を確保できているか?
当たり前のことと思われますが、意外と認識されていません。
例えば、売上にしか責任を負っていない営業が、安易に値下げして受注するケースがあります。
売り手として
良い値下げは、コストを下げることができたことで実現します。
企業努力によって、原価を下げたり、オペレーションコストを下げた結果として、利益は変わらず、価格を下げることに成功します。
一方、悪い値下げは、上述のように受注を取るためだけの値下げで、利益が減っています。
根拠のない値下げは止めにしましょう。
買い手として
これまでは複数社に相見積もりを出して、安いところから買うのが一般的でした。
ただ、果たしてそれで、社会企業としての責任は果たせるでしょうか?
今後は、売り手が良い値下げをしているのか?悪い値下げをしているのか?を確認してから、良い値下げ(価格を下げられた理由をキチンと説明できる・企業努力の結果)の場合だけ、購入すべきだと考えています。
相手が悪い値下げをしている場合、相手に利益を残すことができません。
自社だけ良い思いをして、他社が不幸になっても良いのでしょうか?
そんな取引からは身を引く倫理観・勇気を持ちたいものです。
売り手として・買い手として、まずはこれが大前提ではないでしょうか。
無駄に値下げ合戦を繰り広げて、皆で疲弊するのは、もう止めにしたいものです。
原価を正しく把握する
売り手として、正しい値付けをするためには、原価を正しく把握しておくことが重要です。なお、価格を設定するための要素は大きく3つあります。
- 原価を元に、必要な利益を乗せて価格を設定する
- 顧客の予算感(お財布事情)を元に、価格を設定する
- 市場・競合の価格を元に、価格を設定する
実際には、この 3要素を全て確認しながら、価格設定することになります。
ただ、何れにしても、1つ売れるたびに利益がいくら出るのか?を確認するには、原価把握が欠かせません。
ビジネスモデルによりますが、原価だけではなく、広告宣伝費などのコストも把握しておいた方が良いケースもあります。
その他の値下げ
ブランドイメージ
価格とブランドイメージには密接な関係があります。
価格が不自然に低い場合、商品・サービスの品質に対する疑念を抱かれてしまうかもしれません。
また、何度も値下げを繰り返すと「そういうブランド」だと認識されてしまいます。
元の価格に戻した際、誰も買わなくなってしまう・・なんてことが起こりかねません。
在庫処分
在庫の保管コストを削減し、資金をより早く回収するのに役立ちます。
新商品をリリースする前に、前バージョンの商品を在庫処分することなどもあります。
何れにしても、中小企業にとって値下げというのは「諸刃の剣」です。
安易に使わないように、注意深く使いましょう。
売り手としても買い手としても、価格・利益と正しくお付き合いしたいですね!
- 企業努力の結果ではない値下げは行わない
- 利益を正しく把握するためにも、原価の把握を行う
- 売り手としてだけでなく、買い手としても利益に向き合う
【編集後記】
原価が分かっていない(分かっているつもり)ケースが、実に多いです。
商品・サービスごとに、ちゃんとコスト構成を分解しておきましょう。
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