次から次へと新たなITツールを活用していると、短期的には便利になるかもしれません。しかし中長期で見ると、ゴチャゴチャしてきて生産性が落ちてしまいます。たまにはシステム・ITツールの断捨離が必要です。
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やたらと複雑化したシステム
先日、ある大企業のシステムを拝見することがありました。
そこで見たのは、複雑化しすぎて、誰も中身を理解できなくなったシステムでした。
大企業なので、多くの方が使います。
数10年使ってきたシステムなので、過去からの詳細かつ様々なパターンに応じた業務が組み込まれてきました。そのため、誰も理解できないのは仕方ない部分もあります。
とは言え、「よくぞこんなシステムを運用してきたな」と感じました。
システムが複雑になりすぎるとデメリットが目立つようになります。
- 誰も理解できないので、業務改善ができなくなる
- システムが動かないと業務が回せなくなる
- システムをより良く改善する企画ができなくなる
情報システムに関わる人材の少ないスモールビジネスにおいては、システムはできる限りシンプルに使うのが原則です。
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システムが複雑化している兆候
以下のような状態が見受けられるときには、システムが複雑化してきている兆候です。気をつけるようにしましょう。
ID・パスワードが乱立する
使うツールが増えてくると、ログインするためのID・パスワードが乱立して増えていきます。パソコンにログインするとき、Office365、クラウド会計、CRM・・etcとツールが増えるごとにID・パスワードが増えていき、やがて覚えられなくなります。
するとメモをパソコンやディスプレイに貼り付ける人が出てきたり。こうなってはパスワードは全く機能しなくなります。できる限りIDを増やさない、増えたとしても覚える数を限定できるようにシステムを設計する必要があります。
データがあちこちに散在する
組織で仕事をするとき、データをどこに保存するかは極めて重要です。人によってデータの置き場所が異なると、管理が全くできなくなります。最新ではなく過去バージョンのファイルを編集してしまったというのは、組織で良く見る悲劇です。
- ○○プロジェクトに関連するファイルは、Dropboxの共有○○フォルダ
- ちょっとしたお知らせは、Slackに流す
- パソコンにはデータを保存しない
というように何らかの運用ルールが必要です。
似たような機能を持つツールを使っている
似たような機能を持つツールが社内で増えてきたときには、注意が必要です。
タスク管理をAさんはTrelloでやっているのに、BさんはGoogleカレンダーでやっている、というような統一感がなくなってきたら、確実に改善した方が良いでしょう。個人ごとに自分のパフォーマンスを発揮するツールを使えることは重要ですが、それ以上に組織でコラボレーションできる環境を整える方が重要だからです。
似たようなツールは、お互いに競争して使いやすさや機能がアップしていきます。例えばオフィススイートであるマイクロソフトの「Office365」とグーグルの「G Suite」はしのぎを削って競争しているので、双方ともに確実に良くなっています。
たまに見直して、より良い方を活用すると良いでしょう。
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軸となるツールを決める
社内で軸となるツールを決めると、その後のツール選定が楽になります。
例えば、Office365を軸とするなら、ID・パスワード管理もそこで行うことができます。パソコンにログインするときのIDとOffice365のIDを統一するのです。その後、Office365と連携しやすいツールを選択していくようにします。
顧客情報管理が事業の肝であれば、まずはCRMを軸にした方が良いでしょう。また、POSレジが情報の中心にある場合は、POSを軸にすべきです。
何を軸にするかは、事業内容によって大きく変わります。現時点で特に軸となるツールが無い場合には、Office365かG Suiteを軸にすると良いでしょう。どちらも他のシステム・ツールとの連携を進めていますし、IDを管理するのにちょうどよいからです。
- システム・ツールが複雑化しすぎると改善できなくなる
- ID、データ置き場、ツールが煩雑になってきたら、断捨離を行う
- 軸となるツールを選択し、連携しやすいツールを優先して選ぶ
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