IT/デジタルの活用支援をしていると、現場の人から意見をもらうことがあります。
「急にIT/デジタルを使うと言われても、着いていけないんです」と。
前回、「ギリギリでついていけるくらいの変化をもたらしてくれる組織が、一番良い」ことをお伝えしました。
とは言っても、変化が激し過ぎて、ギブアップしてしまいそうになることもあるでしょう。
そのようなとき、最初から諦めるのではなく、次に示すような行動をお勧めします。
どこが着いていけないのか?具体的に共有しよう
ドロップアウトを望む経営者はいない
まず最初にお伝えしたいことは「着いていけない人を生み出すために変化させているわけではない」ことです。
社会・市場・技術が変化しているので、自社もそれに合わせて変化していかなければ、市場から振り落とされてしまうからです。(事業が潰れる=給料を払えなくなる)
経営者の視点から見ても、着いていけない人が辞めてしまい、再度採用をするのはお金も労力もかかります。
できることなら着いてきてほしいのです。
ですから、「着いていけそうにない」と感じたときに、短絡的に「もう無理」と諦めるのはやめましょう。
素直に助けを求める
それよりも、具体的に何が着いていけないのか?どういう助けがあれば着いていけるのか?を明確にしましょう。
- 新しいツールの操作方法について、説明会を開いてほしい
(この動画・マニュアルを見ておけ・・じゃなくて、1クリックずつ説明して欲しい) - 分からないときに質問できる人をつけて欲しい
- 指示が曖昧なので、具体的な指示が欲しい
こういう助けを求めたときに、経営者の姿勢と、その人への評価が明るみになります。
本当にその人に着いてきてほしい(辞めないでほしい=それだけの価値を感じている)のであれば、その具体的な助けに対して応じてくれるはずです。
一方、「この人はもう無理だな」と思われていれば、特に反応はないでしょう。
例えば、パソコンの基礎から学ぶ機会を何年も与えてきているのに、今さら「キーボード入力の方法を教えて欲しい」などと言われたら、経営者も人間ですから、諦めるのではないでしょうか。
そのツールを使う目的は何か?確認しよう
そしてもう1つ。
新しいツールを使う目的を確認しましょう。
例えば、Zoom(オンラインミーティング)を使う理由は
- 移動時間・コストをなくして、生産性を上げる
- リモートワークを可能にすることで、柔軟な働き方を実現する
- 場所に依存せずにミーティングを行うことで、意思決定のスピードを上げる
- 録画することで後から見直すことができる
- 顧客や関係企業が使っているのに合わせて(使わないと相手に迷惑)
のように、様々あるはずです。
しかし、色んな企業を見ていると目的なく「なんとなく」で導入されているツールもあります。
単にテスト導入しているだけの場合もあります。
そのような場合は「正式導入が決まってから参加させてほしい」と言えば良いのです。
そこまで余裕はありません・・と。
そうやって、「会社の動き」と「現状の自分のスキル」のギャップを明らかにして、早めにアラームを上げていくことができます。
こういう問いを投げかけられて「ちゃんと目的を明確にしていなかった」と気づくこともあります。
経営者と現場は、役割が異なるだけで対等な関係です。
言うべきこと・問うべきことは遠慮せずに投げかけることで、組織は前に進むのだと思います。
最後に
前回・今回と2回に渡って、急にIT/デジタル活用しようとする組織に対して困っている方へのコメントをお伝えしました。
最後にお伝えしたいことがあります。
「変化・成長を拒む人は、どんな会社に行っても活躍できない」という事実です。
今の社会は、知識を中心の資本とする知識社会です。
そこで働く一人ひとりは、知識労働者。
つまり知識をアップデートし続ける人でないと、成果を生み出すことはできません。
IT/デジタルツールに限ったことではなく。
変化・成長に対して、しなやかに、強く対応していきたいですね。
自戒を込めて。
- 着いていけない原因を明確にして、助けを求める
- ツールを使う目的を聞いて、それに応じた行動を取る
- これらのやり取りを通じて、会社とその人の関係性が分かる
【編集後記】
今日はセミナーに登壇するため、山形に移動しています。(今、新幹線のなか)
既に雪景色になっていて、寒いの苦手な私はビビっております。。汗
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