前回は専門性を売りにしている中小企業が目指すWebマーケティング手法について、解説しました。
良く言われるページビュー(PV数)を稼ぐ手法は合わないのでした。
私の知る例ですと、ある製造業(金属関係)は月間1万PVもいかないのに、必要な受注はWebから十分に獲得できていました。金属のことを調べる人なんて少ないから、それで十分なんです。ニッチな市場になればなるほど、市場は小さくなりますから、当然ですね。
だからPVよりもCVやCVRの方が大事。
— 渋屋 隆一💡中小企業のデータ経営 (@giraffe_duck) 2019年2月17日
さて、ややこしい理論ばかり読んでいると飽きるので、今回は事例を紹介します。
上手くWeb運営している会社から、学びましょう。
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一発でコンセプトが伝わるホームページ
ホームページに辿り着いた瞬間のインパクト!
何よりも、何をやっている事業なのかが、一目で分かります。
(新免鉄工所のページより)
錆びさせない。表面加工のプロフェッショナルたるプライドを感じるページです。
インパクトだけでなく、サービス一覧、問題解決の事例も充実しています。
そして社長あいさつから、事業への想い、経営理念、会社概要、会社沿革、良くある質問など、必要な事項もキッチリと網羅されています。
表面加工に迷って検索した人は
- インパクトと職人魂に惹かれる
- 会社案内に進み、信頼できる会社であることを確認
- 良くある質問を確認して、不安を取り除く
- お問い合わせページから連絡を入れる(電話やWebフォーム)
という流れをスムーズに進むのではないでしょうか。
事例や顧客の声が充実しているホームページ
事例が充実にしているのは株式会社ゴーリキさんのページです。
数が多いのも圧巻ですが、施工前・施工後で事例をまとめているのが素晴らしいです。
お客様にとって、商品やサービスは悩みを解決する手段に過ぎません。ですから商品そのものよりも、その前後を示すことが大切です。
その他、事例を紹介するときには、Before/Afterだけでなく、TPOを意識すると表現しやすくなります。Time(時間)・Place(場所)・Occasion(場合)ですね。
例えばハンドバッグを紹介するなら、商品そのものではなく、いつ・どこで使うのか?一緒に合わせる洋服やメイクはどういうものが合うのか?仕事か、プライベートか、それとも結婚式で使うのか?
それをお客様に「自分で想像して」と任せるのではなく、自社で提案する。それが大事なのです。
顧客の声が気持ちいいのは、コンフォートホテルさんです。
お子様連れに優しいホテルということもあり、そのまま顧客の声が掲載されています。
また「駐車場の位置が分かりにくかった」などというネガティブな声も載せており、誠実さがうかがえます。
顧客の悩みを解決しまくるのは、あの大企業
さて、ここまでで事例としては十分なのですが、もう1つ小ネタを。
Webマーケティングで利益を上げまくっている大企業をご存知でしょうか?
営業利益率50%以上という、異常とも言える高利益をキープしている「キーエンス」です。
工場を持たないファブレスであるとか、日本最初の商品をリリースする体制とか、高利益の理由は様々に言われています。確かにこれらも有力な理由だと思いますが、この会社、Webマーケティングがヤバイです。
聞くところによると、事業部門がお客様の声を聴き、記事を作成しているそうです。一般的にはこの規模の企業になると商品企画・マーケティング部門が商品カタログやWebを運営します。しかし、各事業部門が記事を書くことで、顧客の悩みを徹底して解決しているのです。
資料の数がハンパないのですが、ニッチな需要に1つ1つ応えているうちに、こうなったのではないでしょうか。結果として、例えば「マシニングセンタ」でWikipediaに次ぐ検索2位を取得しています。これらホワイトペーパーをダウンロードするとメルマガに登録されるのですが、その品質もすごいそうです。
良いホームページを運営している会社を観察しつつ、自社の情報発信を充実させていきましょう。
- ステップ1で必要な要素を揃える(会社概要・代表挨拶など)
- ステップ2で顧客の悩みを解決する(事例紹介・顧客の声など)
- 事例はBefore/AfterやTPOで表現する
次回は、情報発信の最終ステップ。
売れるホームページにするために、最後の仕上げをしていきます。
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