「Googleにお金を払ったことありますか?」
大半の方は「ない」と答えるでしょう。
中小企業であるとすれば、G Suiteの利用者か、広告を出しているかでしょう。
Googleはご存知の通り、数多くの便利なサービスを無償で提供しています。
ではなぜ、タダでこんなに使えるのでしょうか?
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フリーのモデル
まず最初は、誰もが思いつくこと。
広告で収益を稼いでいるからです。
つまり、お金を払う人とサービスを利用する人が異なるのです。
検索する人はお金を払わない。
検索結果にリスティング広告を出す人がお金を払う。
フリーで言うところの「三者間市場モデル」です。
別にGoogleが特別なのではなく、テレビやラジオも同じです。
視聴者はお金を払っていませんが、広告収入によって運営されているのです。
マーケティング&ブランディング効果
上記のフリーのモデルの続きなのですが、マーケティングやブランディングの面も見逃せません。
確かに無料で利用できる有用なサービスがあれば、認知度が広がり強力なマーケティングになります。Googleというブランドも、そこで成長していくでしょう。
私自身、Googleのサービス(検索、メール、カレンダー、フォト、Youtube、そしてAndroid)にドップリと浸かっています。だから、こういう記事を書けるのです。
同じように「Googleすげぇー!!」と言っている人の多くは、Googleにお金を支払ったことのない人達がほとんどでしょう。Googleというブランドが確実に育っている証拠です。
現状における真の目的は?
ただ私は、Googleが無料でサービスを提供する真の目的は、既に変わってきていると思います。真の目的と考えられるのは「データを集める仕組み」です。
それを強く感じたのは、「Googleフォト」が出てきたときです。
ほぼ画像劣化なく、無制限に写真をアップロードできるサービスです。
おそらく増え続ける写真データの置き場に困っている人が多かったのでしょう。
写真をアップロードする人が続々と集まりました。
私自身、スマホで撮影した写真・動画はGoogleフォトアプリを使って、自動でアップしています。さらに、パソコンの特定のフォルダ(マイフォトなど)も自動でアップすることで、データのバックアップに使っています。
その結果、無償で写真データを大量に集められたGoogleは、人工知能が猫を自動認識したことを発表します。現時点では、人工知能をより賢く成長させるためには、膨大なデータが不可欠です。
そして、その知見をサービスに反映してきました。
例えば、人を自動認識し、場所やシーンなどでも自動分類されるようになってきました。Googleフォトで試しに「線路」と検索したら、本当に線路が写っている写真ばかりがピックアップされました。既に日本語の「線路」を学習しているということです。
(なんか1つ線路じゃないのが混ざっていますが、それがまた面白いところ。学習中何だなぁ~と)
同様の視点で見てみると、Google Analyticsは利用者にとってはWeb解析ツールですが、GoogleにとってはWeb情報を取得するもの。Googleカレンダーは人の動きをスケジュールから取得するもの。Gmailはメールを。(もちろん、それぞれに個人情報は避けて統計的に処理されているのでしょう)
こうやってGoogleはデータを集める仕組みを作り上げているのです。
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データを集められる組織が勝つ世界
これから人工知能が広がる世の中になっていくことは間違いありません。
その世界では、データを集められる人が勝ちます。
人工知能を実用レベルまで賢くするには、圧倒的な量のデータが必要だからです。
ここで日本は実は優位な立場にあります。
製造業におけるデータはおそらく世界で一番取れる環境にあります。
高齢化社会の課題になるようなデータも、一番取れるでしょう。
データを集めるための優れたセンサーを作る技術力もあります。
もちろん集めたデータから知見を得る仕組みも必要です。
ただ、それ以前に「データを集めること」が重要だという認識があまり多くないようなので、この記事を書いてみました。
自社に有益なデータはないか?あるいは取れないか?考えるだけで、次のビジネスが見えてくるかもしれません。
- Googleが無料なのは広告モデルだから
- さらに「データを集める仕組み」をつくり上げている
- データを豊富に持つ日本も、実は有利
こちらでIT活用を始める企業・個人も増えています。
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