ITを専門にしているIT企業。
他の業界からは、「社内の業務は、きっと完全にデジタル化されているのだろうな」と考えられています。
しかしぶっちゃけ、多くのIT企業はアナログだらけです。
IT企業は顧客にデジタル化を提案する前に、まずは自社を徹底的にデジタル化するべきです。
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えっ、IT企業なのにそんなことやってるの?
IT企業にも関わらず、明らかにおかしな光景に出くわすことがあります。
端的に言えば、IT企業がITを使いこなせていないのです。
- Web会議ができない
- パスワード付きZIPファイルのメールを送ってくる
(いわゆるPPAPです。ちなみにパスワード付きZIPは、何の安全性もありません。) - クラウド接続禁止
- 社内業務が紙だらけ
- 社内業務がExcelでコピペの繰り返し
- パソコンは社外持ち出し禁止
- 1つの部屋に集まって開発
何でこんな状態になってしまっているのか?
色んな企業に質問したことがありますが、「セキュリティが・・」「顧客の要望で・・」など一辺倒な回答ばかりで、納得する答えを得られたことはありませんでした。
より正確に書くと、自社の得意領域以外はザルな会社が多いです。
営業・マーケティング分野に強い会社は、バックオフィス(経理や人事など)がアナログです。逆もしかり。
業務系ITに強い会社のホームページは古臭かったり。
今回の新型コロナをでは、すぐにテレワークに対応できたIT企業と、そうでないIT企業がありました。IT企業なのにテレワークできないなんて、太ったダイエットコーチ・英語が喋れない英語教師みたいなものではないでしょうか。
社内がこんな状態であるにも関わらず、お客様に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とか「IT活用」とか言っても、説得力がありません。
なぜなら、その効果を自分達自身が実感したことがないから。
自社の業務を徹底的にデジタル化する
繰り返しになりますが、自社がデジタル化できていないにも関わらず、顧客に提案したところで全く説得力がありません。
まずは自社の業務、そしてビジネスモデルを徹底的にデジタル化すべきです。
IT企業も人が集まる組織ですから、色んな苦労が伴います。
私もIT企業に勤めていた頃、2011年頃からテレワークが推進されました。
しかし、人間が今までのやり方にこだわる力は相当なものです。
地方支社のお偉いさんからは「出張に来なくなった」などと、何度も文句を言われたものです。
全社的(当時2,000人規模くらい)にテレワークが浸透するには、3年近く掛かりました。
単に技術的な問題だけでなく、就業規則・給与制度からオフィスレイアウトに至るまで、様々な問題が勃発しました。
そういう経験をすべてネタにして、「うちはこうやっています!」とお客様に提案していたので、当時はかなり先進的でした。
こんな書籍も出して、あちこちでプロモーションもしました。
(その後、サイボウズさんが頑張って、一気に抜き去っていった感がありますが)
自社の経験をオープンにして、提案する
このように、まずは自社で経験する。
マーケティング・営業のようなフロント業務から、総務・人事というバックオフィス業務まで、完全にデジタル化しましょう。
業務全体をデジタル化するということは、社員全員がデジタル化に強くなるということです。1人残らず、対応しなければなりませんので。
単に営業とエンジニアだけがITの話をするのではなく、経理も人事も購買も、そして言うまでもなく経営者もデジタルに強くなるのです。
その経験で得られた効果・苦労したことをお客様に提案します。
例えば人事をデジタル化すれば、自社の人事担当者がお客様のところに行き、経験を語ります。
社内に居ることが多い人事担当が、営業活動をするのだから緊張します。
ですが、それがまたお客様に良い感じに伝わるのです。
お客様からの信頼につながりますし、「単にITサービスを提供してくれる会社」というポジションから抜け出すキッカケにもつながります。
リソースの限られたスモールビジネスにとって、自社全員が営業になり得るのもメリットです。
- IT企業は自社をIT化・デジタル化しない限り、説得力がない
- むしろ遅れている企業も見受けられる
- 自社で徹底的に使いこなし、その経験を顧客に提案すべき
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【編集後記】
今日はマイナンバーカードの電子証明書の期限が近づいていたので、交換しに区役所へ。
小雨が降っていましたが、往復ランニングで。
季節の割に涼しくて、良いトレーニングができました。
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