リモートワーク(在宅勤務)が増えるにつれて、オンプレミス(自社設備)型システムの弊害が、ますます目立つようになってきました。
この記事では、「働き方」「経営判断」「システム」の3つの面からオンプレミスの弊害を整理してみました。
<スポンサードリンク>
Contents
オンプレミス型のシステムとは?
理由を述べる前に、オンプレミスのシステムとは何か?を解説します。
端的に言えば、自社で購入して設備として保有するシステムのことです。
ハードウェア(サーバー)やソフトウェアを購入し、自社にてシステムを運用します。
クラウドが登場する前、会社で使うシステムは、ほぼ全てオンプレミスでした。
一般的にクラウドが利用されるようになり、その対比語として「オンプレミス」という言葉が使われるようになりました。
- オンプレミス:自社でシステムを購入し、自社で運用する
- クラウド:使用料を支払って、システムを利用する
このように大きな違いがあります。
リモートワークに適さない
ここからはオンプレミスなシステムの弊害についてご紹介します。
1つ目は「働き方」です。
本ブログでは以前から主張していますが、今はリモートワークが当然の働き方です。
新型コロナの影響で、それをますます実感する世の中になりました。
どうしても現場に行かなければならない仕事があります。
その一方で、場所を選ばずにできる仕事が多くあることも事実です。
社会をより良くしていくためにも、会社の生産性を高めるためにも、リモートワークできる仕事は、どんどんしていくべきでしょう。
しかし、システムがオンプレミスだと、簡単にリモートワークすることができません。
自宅や外出先から、社内のネットワークにアクセスしなければならないからです。
このとき、セキュリティ対応するための仕組みが必要になります。
例えばVPN(インターネットで安全に通信するための技術)やリモートデスクトップ(離れた場所にある端末を操作する技術)などです。
このような仕組みを準備したり、準備していてもリモートワークするスタッフが増えて、キャパシティをオーバーしてしまったり。コロナ禍でIT担当者(社内SE)をやっている複数の方から、これらの対応に追われている話を聞いています。
システムがオンプレミスではなく、クラウドであれば、これらの苦労はほぼ不要になります。
オンプレミスは意思決定のボトルネックになる
2つ目は「経営面」です。
変化が激しい現代において、素早く意思決定することは、非常に重要です。
しかし、オンプレミスのシステムは、経営者の意思決定を苦しめます。
なぜなら、オンプレミスのシステムには、以下の特徴があるからです。
- 初期投資が大きい
- 一度購入してしまうと、撤退が困難
- 購入してから利用開始できるまでに時間が掛かる
- 運用する人材、コストが掛かる
初期投資が大きく、撤退が困難なので、意思決定を難しくさせるのです。
以下、1つ1つの項目の解説を加えますが、興味ない方は読み飛ばして頂ければ。
例えば、会計ソフトを3人で利用すると、以下のような差があります。
- オンプレミスの場合:初期投資だけで軽く100万円超
- クラウドの場合:月額7,000円~2万円程度
詳細はこちらの記事をご覧ください。
しかも設備として購入していますから、買ってしまったら最後。
実は使えないものだったとか、事業環境が変わったなどでも、支払ったお金は返ってきません。撤退がしにくいのです。
さらにモノを購入しますので、使えるようになるまで時間が掛かります。
- 納品
- 設置
- OSやデータベース、アプリケーションのインストール/設定
- バックアップの設定
などが掛かるからです。
最も時間が掛かるのは、発注してから納品されるまでの時間です。
パソコンと異なり、サーバーの場合は発注から納品まで1ヶ月は普通に掛かります。
アカウントをつくればすぐに利用開始できるクラウドとは、大幅に異なる点です。
さらに運用する人の確保などもあるのですが、既にうんざりしていると思いますので、この辺で止めておきましょう。
まとめるとオンプレミスは、経営者の悩みのタネとなることがお分かり頂けたと思います。
システム面の問題
3つ目はシステムそのものの問題です。
システムがアップデートされない
オンプレミスのシステムは購入していますので、買ったときが最新です。
しかし利用していくにしたがって、古くなってしまいます。
Windowsのように更新ソフトウェアが無償提供されるものも多いですが、更新作業自体は利用者側の責任です。
会計ソフトなど、法の改正にしたがってソフトウェアを更新しなければならないものがあります。しかし、その更新が有料なソフトウェアもあります。
ただでさえ初期投資が重たいオンプレミスなのに、さらにお金が必要となってしまうのです。
一方のクラウドであれば、利用者に関係なく最新版に更新され続けます。
他のシステムとの連携が困難
オンプレミスのシステムは、他のシステムとの連携が困難です。
例えば、以下のような連携が求められるでしょう。
- 営業が中心に使う顧客管理や商談管理のシステム(CRM)と、会計ソフトの連携
営業が作成した見積書を元に請求書が発行され、それに伴って入金確認・消込をします。 - 勤怠管理システムと給与計算システム、会計ソフトの連携
言うまでもなく、連携してくれないとコピー&ペーストの作業に忙殺されます。 - 在庫管理システムとECサイトの連携
在庫とECサイトが連携してくれないと、リアルタイムにお客様への案内ができません。
このように、各システムはそれぞれが独立しているものではなく、連携することで業務を効率化したり、価値を生み出します。
しかし、オンプレミスのシステムは、自社内のサーバーで動いているものですから、他のシステムとの連携をさせるのが非常に困難です。
- 同じメーカーが提供している複数システムなど、連携できる選択肢が限られる
- 自社用に開発してもらわないと連携できない
一方、クラウドは他のシステムとの連携が前提とされています。
APIという他システムとの接続の仕組みを持っているからです。
実際には他社との連携をどんどん推し進めている会社と、そうではない会社が混在していますので、注意が必要ですが。
本業以外の業務が増える
オンプレミス(自社設備)でシステムを持つと、本業以外の業務が増えてしまいます。
- ビルが停電するときに備えた対応
- システム担当者以外が勝手に触れないように、物理的なセキュリティの確保
(ラックを購入して鍵をかけるなど)
ここまで述べましたように、一言でまとめるなら「中小企業はオンプレミスでシステム導入してはいけない」です。理由なくオンプレミスを提案するITベンダーは避けましょう。
一応、例外はあるのですが、それはまた機会がありましたら。
- 自社設備でシステム導入すると「働き方」「経営判断」「システム」の面で苦労する
- あらゆる面でクラウドを活用した方が良い
- 中小企業は理由なくオンプレミスを提案するITベンダーは避ける
[the_ad id=”2141″]
【編集後記】
昨日のバイク練習がきつすぎたのか、今日はカラダが重いです。。
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。