生産性向上とか、働き方改革とか言われて久しいですが、多くの職場で変わっていないのが報告です。多くの企業で価値を生まない雑務のままになっている代表例と言えるでしょう。
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報告に対する典型的な愚痴
なぜ報告が価値を生まないままになっているのでしょうか。良く聴くコメントは以下のようなものです。
「日報を提出しているのに、あの人(管理職)読んでないんですよね。だから日報に書いたことを何度も聞いてくる。勘弁して欲しいですよ。」
これ、ものすごく分かります。
- 報告を求めるなら、ちゃんと読むべき
- どうせ読まずに後から聞いてくるのであれば、日報は不要
このどちらかにするべきでしょう。
人間、意味のない業務を延々とやり続けられるほど、気持ちの強い生き物ではありません。「これ無意味だな」と感じた瞬間に、やる気がなくなってしまうのが人間というもの。
経営者や管理職は、報告を求めるのであれば、
- 何のために求めるのか?
- その報告(インプット)に対して、どういうアウトプットを出すのか?
を明確にすべきでしょう。
フィードバックのない報告はやる気を削ぐ
このようにフィードバックのない報告は、やる気を削いでいきます。
報告したのに、読まれずに聞かれたら、アホらしく感じてしまうのは当然のことです。
何の目的もなく「ホウ・レン・ソウは仕事の基本だ!」などと押し付けるのは、もう時代に合ってないと言えるでしょう。
では、どうすれば良いのでしょうか?
私は大きく2つの方向性があると考えています。
1つ目は、コミュニケーション面。
必ずフィードバックをすることが必要だと考えています。
報告という情報を投げ込んでもらったのだから、しっかり受け止めたことを返す。
もらった情報を活かして考えたこと・決めたことなどをフィードバックするのです。
意味がある報告だと感じられれば、報告する側もやる気になります。
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定型的な物事はテンプレート化する
もう1つの方向性は、報告の手間を減らすことです。
例えば営業の報告。
- どのお客様と商談したのか?
- 商談の状態はどのように変化したか?
- 今月の受注/売上見込み額は?
このようなことは、いちいち文字に書くのは手間が掛かります。
CRMのようなツールを使っていれば、お客様との会話が終わったときに、商談ステージを変えるだけです。クリック・タップ1つで終わります。毎月のレポート形式をテンプレート化しておけば、わざわざ書かせなくても、見込額は分かります。
同じようなことは、お客様からの問い合わせ対応にも言えます。
日頃から問い合わせデータを一元的に管理する仕組み(インシデント管理ツール)を導入していれば、そこからレポートを出力するのは簡単です。エクセルで頑張ろうとするから、レポートを新たに書き起こす手間が発生するのです。
理想的には、この2つを同時に行うことが効果的です。
手間をかけずに報告をしてもらい、それに対してしっかりとフィードバックをする。
「A社のB案件、意思決定者C部長を後押しするために、次回は私も同行しようか?」
「D社の案件は残念だったね。3週間後にフォローの連絡をしておこう」
「再来月以降の見込客(リード)獲得が少ないから、今月はWebをSNSに力を入れよう」
繰り返しになりますが、報告そのものは価値を生みません。
報告を受けた側(経営者・管理職)が、その報告を受けて意思決定することで価値が生まれるのです。その点を理解して「報告」という業務を見直してみましょう。
- フィードバックのない報告は、従業員のやる気を削ぐ
- 報告させるなら、必ずフィードバックする
- それと同時に報告業務の負担を軽くする仕組みをつくる
こちら、関連記事です。
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【編集後記】
今日はZohoの終日イベントに行ってきました。
顧客情報を管理するのは当たり前で、世の中はその次に進んでいることを実感しました。
と言いつつ、CRMの概念も知らない中小企業が多いので、もっと啓蒙しなければと。
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