社長の悩みの多くは、人に対するものです。
「もっとパフォーマンスを発揮して欲しい」
「もっと貢献して欲しい」
「それ以前に、ちゃんと会社に来て・・」
私も日々、経営者の色んな愚痴を聴きます。
大量生産の時代は、従業員の「労働力」を買っていた経営者ですが、今は変わりました。
知的生産の現代においては、従業員の「創造性」を買っていると言って良いでしょう。
では、従業員に創造性を発揮してもらうための、正しい教育方法・計画は存在するのでしょうか?
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正しい教育計画・方法は存在しない
様々な場所で研修・セミナー・コンサルティング(一種の教育)をやっている経験から言えば、
万人に共通する正しい教育のやり方・プログラムは存在しない
と感じています。
生まれ育った環境から価値観・前提知識、そして学びに対するモチベーションや会社との関係性など、ひとりひとり、全く異なるからです。これらの違いを無視して、一律の教育を押し付けたとしても、なかなか効果が出ないのが実情だと思います。
ひとつ間違いないと感じているのは、経営者だろうと従業員であろうと、人間誰しも、
学びたい気持ちや、必要性を感じていないときには、どんな教育も効果はない
のです。「子どものとき、もっと勉強しておけば良かったな」と思うことはあります。でも、私は子どもの頃、もっと勉強したいと思ったことがないので、きっと当時に戻ったとしても、やはり勉強はしなかったでしょう。
ですから、学びたい気持ちのない人には、まずその気持ちを持ってもらう必要があります。
経営者がより良い環境をつくろうとコミットする
その学びたい気持ちを引き出すのに大切なのが、経営者のコミットメントです。
「もっと学んでパフォーマンスを上げろ!そうすれば会社が(そして俺が)儲かる」
経営者がこんな姿勢だったら、従業員は学びたいとは思わないでしょう。むしろ反発してパフォーマンス下げてやろうかと思ってしまいそうです。
従業員自身のために、そして会社のために、さらにはお客様・社会のために。
学ぶことによって、より広い範囲に好影響が及ぶことを、伝える必要があります。
「こういうことを学んで、こういう風になって欲しい」
「そのために会社は、こういう協力をする」
「こういう風になれたなら、こういう活躍を期待している」
学びに対する期待を経営者から、きちんと伝えること。
そのやり取りが従業員と会社の関係性を強めることになります。
学べる環境というのは、単に研修プログラムを用意して受けさせるということではありません。会社がお金を出したり、良い研修を探したり企画することも大切ではあるのですが、より大切なのは、学びたい・もっと成長したいと全員が考えられる組織文化・環境づくりです。
学びという点においては、経営者も従業員も立場は同じです。経営者自身が率先して学ぶ姿勢を見せること。たまに経営者が学び好きで、経営者ばかりが学んでいる会社もありますが・・。何れにせよ、経営者・従業員関係なく、学べる組織が強くなると感じています。
このような組織文化ができてから、何を学ぶのか?を検討するのが良いと思います。
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個人の学びを組織の成長に紐づける
このような組織文化になると、個人の学びを組織の成長につなげられるようになります。
- セミナーに参加して学んできた内容を、社内で勉強会にして伝える
- 学んできた知識を業務プロセスに埋め込む
- 社内Webに学んできたことをレポートする
こういう活動を通じて、
- 学んできた人がアウトプットすることで、2度学ぶことができる(知識が定着する)
- お互いに教えあう文化が育まれる
- さらに学ぼうとする意欲が高まる
という好循環が生まれます。学べば生産性が上がります。生産性が上がるから、時間やお金が得られて、さらに学べるようになります。こうして伸びる組織は、一気に成長していきます。
- 万人に共通する正しい教育方法は存在しない
- 学ぶ意欲を持ち続けられる組織文化の方が大切
- 個人の学びを組織の成長につなげたい
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