大学生の頃、アルバイトで強力なマーケティング・営業プロセスを体験したことがあります。
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学生時代に体験したマーケティング・営業プロセス
その会社(A社とします)は、勉強が苦手な子に対して、教科書の補助教材と、家庭教師を提供していました。
まだ個人情報の取り締まりがない、牧歌的な時代でした。A社はどこかから中学生のいる家庭の名簿を購入しているようでした。見込み顧客の獲得コストが低かったので、今と比べると商売が簡単な時代だったのかもしれません。
その名簿に対して、まずテレアポ部隊(アルバイト)が連絡をします。勉強に悩みはないか?塾に通っているか?など悩みや現状をヒアリングするのです。ターゲットとなる条件を満たしていると判断すると、補助教材の紹介をするためのアポイントを取るのでした。
アポイントが取れると、今度は営業部隊(こちらもアルバイト)が動きます。お宅に訪問して、改めてヒアリングを行います。そして補助教材を提案するのです。さらに「いくら補助教材があっても勉強できないのでは?」という不安を抱えている場合には、家庭教師も提案します。
当時、業務プロセスとか、マーケティングファネルの考え方など知りませんでしたが、「キレイに分業されているな」と感じたのを覚えています。
業務プロセスと期待役割と評価
図示すると、このような流れです。
名簿の購入が、いわゆる(狭義の)マーケティング。その後のテレアポ部隊は、今で言うインサイドセールスです。ニーズをヒアリングして、その情報をセールス部隊に共有します。その情報を活かして、セールス部隊がクロージング(受注・制約)に向かう、というわけです。
ちなみにアポイント部隊は時給で働く一般的なアルバイト。営業部隊は完全歩合制でした。印象が良さそうで、ある程度、喋れる人は、営業部隊を勧められました。
アポ部隊は時給ですから、その時間内に何本の電話をかけているのか?を見られていました。数が少ないと、「トークをスムーズに」とか「はい、次かけて」と、社員に発破をかけられていました。つまりKPIは架電回数です。名簿がどれだけ消化されていっているのか?も合わせて見ていたでしょう。
一方、営業部隊のKPIは制約金額です。主要5科目の補助教材と家庭教師がセットで販売できれば最大値。何も売れなければゼロです。推測ですが、長年やってみて、このような評価指標に落ち着いたのでしょう。
分業によるメリット
A社の業務は、このように分業されていましたので、教育が簡単でした。アポ部隊はアポのことを、営業部隊は営業のことを徹底的に仕込めば良いからです。
余談ですが、私は営業部隊でした。確か20~30ページのトークスクリプトを暗記させられて、社員に向かってロールプレイをやったりしました。合格したら、いよいよ現場に・・というわけです。
1件目でいきなり売れた珍しいケースで、将来を期待されましたが、すぐに辞めてしまいました。無責任に売るだけでなく、自分で家庭教師もやって、その子の人生にちゃんと関わりたかったからです。こうして整理してみると、会社員を辞めたときの理由と同じ過ぎて笑えます。
業務プロセスをしっかり整備すると、個々人が動きやすいし、マネジメントもしやすいのだな、ということを学んだアルバイトでした。
- 業務プロセスを整備すると、分業しやすい
- 分業するときに、必要なスキルセットを整理すると、教育しやすい
- 業務プロセス(担当)ごとに、異なる目標を設定する
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