前回、プロジェクトの最重要事項について、ご紹介しました。
今回は、そもそもプロジェクトとは何なのか?
通常の仕事と比較しながら、ご紹介します。
プロジェクトとは何か?
プロジェクトマネジメントの(事実上)世界標準であるPMBOK®では、このように定義しています。
「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務である」
ポイントは以下の通りです。
- 何らかの成果物(プロダクト、サービス、所産)を創造する
→必ずアウトプットがある - 有期的な業務
→期限がある
成果物を生み出すのは、何らかの課題を解決したいからです。
前回お伝えしたように、「現状」と「目標」のギャップが課題です。
その課題を解決するために、何らかの成果物(プロダクト、サービス、所産)が生み出されるわけです。
プロジェクトの反意語は「定常業務」です。
毎日・毎週・毎月行われるような定常業務とは異なります。
このプロジェクトのために一時的に人が集められ、期限がある活動を行います。
通常の仕事との違い
プロジェクトの定義を理解した上で、通常の仕事(定常業務)との違いを確認していきます。
チームづくりが重要
通常の仕事は担当者や関わる人が決まっています。
一方、プロジェクトは関わる人を集めるところから始まります。
人選が重要なのは、言うまでもありません。
それに加えて「チームづくり」が非常に重要です。
プロマネがチームづくりを疎かにしてしまうと、プロジェクト中に発生する困難を乗り越えることができません。
何より、プロジェクト関係者が楽しく仕事できません。
意思決定基準が必要
定常業務と異なりますから、何らかの意思決定基準が必要です。
例えば、今月中に終わるはずだったタスクが終わらない場合に、
- 予算や人員の追加を行うのか?
- そのタスクに後続するタスクのスケジュールを遅らせるのか?
などを意思決定しなければなりません。
一番の基軸になるのは、前回ご紹介した最重要事項である「プロジェクトの目的」です。
それに加えて、人員や予算などの制約条件を踏まえて、意思決定することになるでしょう。
問題が起きてから、意思決定基準を考えていたら対応が遅れてしまいます。
可能な限り、前もって意思決定基準(何を優先するのか?)を決めておきましょう。
手順・タスクが決まっていない
初めてやる仕事がプロジェクトです。
(既に手順・タスクが分かっている仕事は、プロジェクトではありません)
ですから、プロジェクト関係者には「やり方を教えて下さい」は通用しません。
各自がタスクを分解し、自分なりの仕事の進め方(手順)に落とし込んでいく必要があります。
プロジェクトマネージャーはもちろんのこと、プロジェクトメンバーも自分が担当するタスクに関しては、試行錯誤しながら進めていくマネジメントが必要になります。
不確定要素(リスク)がある
初めて取り組むことですから、不確実性(リスク)が必ずあります。
- 3日間で終わると思っていたタスクに 2週間もかかってしまった
- 100万円はかかると考えていたが、実際にやってみたら 60万円で出来上がってしまった
ということが起こります。(良い方向にズレるのも不確実性・リスクです)
また別記事でご紹介しますが、不確実性が多すぎるとプロジェクトが上手く進みません。
できる限り、不確実性を狭い範囲に閉じ込めておく必要があります。
他にも定常業務とは異なるプロジェクトの特徴があります。
多すぎると混乱しますので、この辺にしておきましょう。
- プロジェクトには期限があり、その期限中に成果物を創造する活動
- 定常業務や、過去に経験しやり方が分かる業務とは異なる
- 初めての仕事になるため、それを踏まえた準備や意識づけが必要
【編集後記】
先日、お客様のオフィスを訪ねると、新卒採用の面接に来た学生がいました。
このお客様が小さなオフィスで 2名でやっていた頃から知っているので、ずいぶん変わったなぁ~と嬉しくなりました。
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