仕事柄、色々な会社の商品企画・販売企画などのミーティングに参加させてもらいます。
そのときに感じるのは、強烈な主観です。
要するに自分たちの商品をどうやって売るか?売りたい商品をどう作るか?に終始してしまうのです。
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プロダクトアウトの弊害
このような考え方をプロダクトアウトと言います。
しかし、この考え方に偏りすぎると弊害があります。
売り手の勝手な理論で物事を考えていたら、顧客に欲しいと思ってもらえません。
結果として、売れない商品が生まれてしまいます。
こうやって文字に書くと「当たり前」に感じると思います。
ただ、アタマで分かっているつもりでも、自社の理論・都合で考えてしまうことが本当に多いのです。私がミーティングに参加しているときは、横から一言伝えて、顧客視点に戻るように促しています。
偉そうに書いていますが、私自身、自分の商品・サービスを検討するときは、ふと気づくと自分都合に陥っていることばかりです。ですから、外部の人から助言をもらうのです。
考え方をパターン化する
プロダクトアウトに陥らないように、私は自分の考え方をパターン化しています。
要するにフレームワークを使ったり、毎度使うフォーマットを持っているのです。
私が商品企画をするときには、「戦略マップ」というツールを使います。
「顧客」から検討を始め、その顧客が求める「価値」を定義するところに最も注力します。
ちなみに有名なSWOT分析から始めることはお勧めしません。
そもそも、SWOT分析を正しく使える人が少ないからです。
また、外部環境であるO(機会)やT(脅威)よりも、自社のS(強み)やW(弱み)の方に目が行ってしまい、プロダクトアウトになりがちです。
いずれにせよ、常に自分が正しい思考のルートを辿っているか?を確認する方法を持っておきたいです。ちなみに正しい思考ルートを辿っているからと言って、必ず売れる商品が生まれるわけではありませんが、間違った思考をした商品が売れないのは確実です。
商品は価値を届ける媒体にすぎない
もう1つ、プロダクトアウトに陥りがちな組織に知ってほしいことがあります。
商品は価値を届ける媒体にすぎないということです。
マーケティングの世界では、「ドリルを売るには穴を売れ」という言葉があります。
ドリル(商品)は穴を得るための手段、つまり顧客が価値を得るための媒体なのです。
顧客にとっては、価値そのものではないのです。
Amazonの強さは商品にはありません。
同じ本は本屋にも売っているのです。
しかし、その手軽な買いやすさ、幅広い商品、素早く自宅まで届けてくれる物流力が、Amazonを使う理由ではないでしょうか?
このように商品「以外」のところにも強みは構築できます。
プロダクトアウトに陥ると、このような商品以外の強みに目が行かなくなってしまうのです。
もちろん、商品に強みを持たせることも可能です。
マーケットインで考えた後、自社の強みや独自資源を活かせているか?
それをチェックするために商品からの視点(プロダクトアウト)で考えるようにしたいものです。
いずれにせよ、「考え方」なので一朝一夕で身につけるのは困難です。
組織の人数が多くなるほど、そう簡単にはプロダクトアウトから抜けられないでしょう。
だからこそ、マーケットインの思考法を定着させた組織が勝てるのです。
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