受託開発や SES(System Engineering Service)を提供している IT企業。
今後、生き残っていくためには、2種類の PM人材が必要だと考えています。
プロジェクトマネージャー
1つ目のPMは、プロジェクトマネージャーです。
受託開発でプロジェクトマネジメントが必要なことは、言うまでもありません。
- 目的の成果物(システム・ソフトウェアなど)を定義
- 成果物を生み出すためのタスクを洗い出し
- タスクの重要度や緊急度に応じて優先順位をつける
- タスクをスケジューリング
- リソース(人・モノ・カネ)をアサイン
- 進捗をモニタリングして、適宜調整
などなど、プロマネの守備範囲は広いです。
計画を立てて、進捗管理していくには、実践的なロジカルシンキングが求められます。
予算・リソース・品質の管理だけでなく、契約に踏み込んだり、ステークホルダ(関係者)とのコミュニケーションも行うなど、人的スキルも求められます。
つまり、ロジカルでありつつ、同時に人とのコミュニケーションも求められるのです。
なお、SESだけをやっている事業であれば、PM人材は不要です。
ただ、SESだけの事業から受託開発にシフトしたいときには、PMが必ず必要になります。
(そういうご相談を何度となく受けたことがあります)
SESについて
本題から外れますが、SESは元手資金が不要なので、事業としては立ち上げやすいです。
毎月一定の売上が立ちますので、キャッシュフロー的にも嬉しい。その一方で、
- エンジニアの知見が組織に残らない
- エンジニアが自社に属している価値を見出しにくい
- 最終顧客との接点がない
- 自社の商品・サービス、ブランドが育ちにくい
というデメリットが目立つようになってきました。
そのため「受託開発にシフトしたい」、「自社のサービスを立ち上げたい」という需要が増えているのですが、ここでプロマネがいないことが、1つのボトルネックとなっています。
結果的に、SESを続けざるを得なくなっているのです。
プロダクトマネージャー
2つ目の PMは、プロダクトマネージャーです。(PdMとも略されます)
自社商品・サービスを立ち上げるときに必要な人材。
新商品の企画から開発、リリース、改善に至るまでの全工程に関わり、商品が成功するための鍵を握る重要な役割を果たします。
プロジェクトマネージャーと重複する領域もありますが、以下のような仕事を行います。
- 商品戦略の立案
- 市場調査
- 要件定義
- プロダクトロードマップの作成: 開発計画やリリーススケジュールを策定
- 開発チームとの連携: エンジニアやデザイナーなどの開発チームと連携し、開発を進める
- 優先順位の決定: 限られたリソースの中で、何に焦点を当てるかを決定し、開発の優先順位をつける
- プロトタイピングとテスト: プロトタイプを作成し、ユーザーテストやフィードバックを通じて改善を行う
- リリース計画の策定: 計画を立て、マーケティングや販売戦略と連携
- パフォーマンスの監視: 製品の性能やユーザーの反応を監視し、必要に応じて改善策を実施する
- ステークホルダーとのコミュニケーション: 顧客、ビジネスパートナー、経営陣などのステークホルダーとのコミュニケーションを行い、商品に関する情報を共有
5番以降は、プロジェクトマネージャーと重複する部分が多いです。
プロダクト(商品)を定義するところから始めるので、
マーケッター+プロジェクトマネージャー = プロダクトマネージャー
と言っても良いのかもしれません。
受託開発や SESを生業にしている企業は、まずはプロジェクトマネージャーの育成を。
そして、自社商品・サービスを立ち上げたくなった場合には、マーケティングスキルを強化して、プロダクトマネージャーを育成すると良さそうです。
2つの PM育成のポイント
どちらの PMも、教科書だけで育成できるものではありません。
もちろん、教科書による事前インプットは重要ですが、「知識だけではどうにもならない」点があります。
個別具体の例を通じて実践し、それに対してフィードバックを得ることでしか得られない経験があるためです。
- プロジェクトマネージャー:最終成果物を生み出すために、タスク・リソースのマネジメントを行う
- プロダクトマネージャー:商品を企画し、実際にそれを生み出していく
- どちらも実践を通じた育成が必要
【編集後記】
最近、この手のご相談が増えてきたので、入門的な記事を書いてみました。
プロジェクトマネージャーについて、もう少し掘り下げた記事も書いていこうと思います。
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